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治具とは?試験体と試験機をつなぐ重要な「架け橋」

2026.01.27

振動試験

― 治具のデザインが試験結果を左右する―

振動試験を行う際、「試験条件は正しく設定しているのに、なぜかデータが安定しない」、「本来壊れないはずの箇所が破損した」といった経験はありませんか? その原因、実は「治具(じぐ)」にあるかもしれません。 試験体と振動試験機をつなぐ唯一の接点である治具は、試験結果を「合格」にも「不合格」にも変えてしまう重要な要素です。

本コラムでは、正確な振動試験に欠かせない治具の基本とポイントを解説します。


振動試験における治具とは

「治具」という言葉は、製造現場ではおなじみですが、振動試験においては「試験体(製品)を振動試験機にしっかりと固定するための専用器具」のことを指します。

振動試験機は、大きなテーブルが上下や左右に激しく動く装置です。しかし、試験したい製品の形は、平らなものから複雑な形状のものまで千差万別。そのままでは試験機に載せることさえできません。そこで、製品をがっちりとホールドし、試験機の振動を正確に伝えるための「アダプター」の役割を果たすのが治具です。


なぜ治具が重要なのか?

治具は、全て同じ形同じ大きさというわけではありません。振動試験の「正しい評価」「正しい治具」から始まるのです。一番の理想は、振動発生機の動きを100%忠実に試験体に伝えることです。しかし、不適切な設計の治具を使用すると、以下のような問題が発生してしまいます。

共振による「オーバーテスト」

治具自体が特定の周波数で激しく揺れてしまい(共振)、設定以上の負荷が試験体に加わって破損させてしまうケースです。

減衰による「アンダーテスト」

治具が振動を吸収・分散させてしまい、必要な負荷が試験体に伝わらず、不具合を見逃してしまうケースです。


失敗しないための治具「3つの鉄則」

正確なデータを取得するための治具には、必ず考慮すべき3つのポイントがあります。

  1. 固有振動数を試験範囲外へ(高剛性化): 治具の共振ポイント(固有振動数)が、試験する周波数の範囲内にあると、データが跳ね上がってしまいます。対策としては 、試験最大周波数の1.2倍〜1.5倍以上の固有振動数を持つよう、リブ(補強)を入れるなどして剛性を高めます。
  2. 重心を駆動軸に合わせる: 試験体を含めた全体の重心が、振動台のセンターからずれると、予期せぬ「首振り運動」が発生します。対策としては、 重心位置を計算し、可能な限り試験機の駆動軸(センター)に一致させます。これにより、横揺れ(クロストーク)を抑制し、試験機の保護にもつながります。
  3. 材質の選定: 重すぎる治具は、試験機の能力を圧迫し、必要なG(加速度)が出せなくなる原因になります。試験の目的や状況に応じて、最適な材質を選ぶことが重要です。

【比較】治具によく使われる材質の特性

材質 特徴 メリット デメリット
アルミニウム 標準的 軽量で加工しやすく、コストバランスが良い。 鋼に比べると剛性が低い。
鋼(スチール) 高剛性 非常に硬く、重い製品の低周波試験に向く。 非常に重いため、試験機の最大積載量に注意。
マグネシウム 高性能 高性能極めて軽く、振動を減衰させる能力が高い。 材料費・加工費ともに高価。

エボルテックの試験治具

エボルテックでは、試験目的や評価条件に応じた試験治具をご用意し、再現性・信頼性の高いデータ取得を実現しています。

垂直補助テーブル(VT-060-36-N-Z)

電子部品用CUBE型治具(JSA-200-36)

電子部品用CUBE型治具(JSA-150-36)

より詳しい治具のスペックはこちら


まとめ

「自社で治具を作るノウハウがない」、「複雑な形状の製品をどう固定すればいいか分からない」といったお悩みはありませんか?

エボルテックでは、最適な治具の形状や材質のアドバイス、さらには設計・製作の代行まで承っております。 精度の高い試験結果を得るために、まずは治具の相談から始めてみてはいかがでしょうか。

振動試験に関するお悩み
エボルテックまでお気軽に
ご相談・お問い合わせください。

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